有給休暇申請書に「理由」はいらない?記載強要は違法?

有給休暇申請所の項目内に理由を書く必要はあるのでしょうか? また、記載を義務づけているところは

 

有給休暇の基本ルール

有給休暇は、次の2つの条件を満たしている労働者に与えるべき義務です。

  1. 雇入れから6ヶ月以上継続して勤務している
  2. 出勤日数が全労働日の8割を超えている

実際の有給休暇の日数は、会社によって差はあるものの「最低10日間の有給休暇を与えること」必要があり、1年6ヶ月以降で1年毎に加算。最大で「年間20日の有給休暇」まで増えていきます。

これらのルールは「労働基準法第39条」で定められいて、労働基準法第119条において「6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金の罰則」と定められています。

参考:リーフレットシリー労働法39条(厚生省)

第百十九条次の各号の一に該当する者は、これを六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

第三条、第四条、第七条、第十六条、第十七条、第十八条第一項、第十九条、第二十条、第二十二条第四項、第三十二条、第三十四条、第三十五条、第三十六条第一項ただし書、第三十七条、第三十九条、第六十一条、第六十二条、第六十四条の三から第六十七条まで、第七十二条、第七十五条から第七十七条まで、第七十九条、第八十条、第九十四条第二項、第九十六条又は第百四条第二項の規定に違反した者

出典:労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)

こんな風に明確に定められている事からも、有給休暇は労働者が正当に請求できる義務である事が分かります。

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有給休暇の理由を聞かれるのは違法?

有給休暇は労働者の権利として「当然あるもの」なのはわかりましたが、「なんで有給とるの?」と理由を聞かれる事はアリなのでしょうか。

有給申請には、「申請書」等の書類提出があり、有給理由の項目が記載されている場合がほとんどです。

「とりにくくなるように、プレッシャーを与えよう…」というブラックな会社を除いて、一般的な会社が「有給理由」を知りたがるのは「休みの調整がつく時期なのか、他にずらせそうでないか?」の判断材料にするため。

労働者には自由に有給をとれる権利がある一方、会社的には「この時期に休まれると、会社運営に支障をきたすので とても困る」という繁忙期も当然あります。

そこで、会社側の権利として「時季変更権」というものが存在。

「時季変更権」は、簡潔に説明すると「会社的に休まれると困る場合には、有給取得を拒否する権利がある」というもの。

但し、実際に「時季変更権」として行使するためには「事業の正常な運営を防げる場合のみ」という厳しい成約がついてますので、「日常的に忙しくて人手が足りないから」程度では時季変更権を使う事はできません。

(この理由だど、永久に有給休暇がとれませんよね。)

さらに「時季変更権を使わざるを得ないぐらいに、雇い主側が様々な配慮をした上での事なのか」という事もポイントで、休めるように色々働きかけもせずに時期変更変更権を行使はできません。

実査に時季変更権を使えたとしても、必ず他の時期に移動して有給休暇を与えなければならず、拒否しっぱなしはNGとなります。(動労基準法39条5項)

こうした会社側権利が使われる事は稀ですが、(一応)存在しているため、有給申請書類に判断材料としての「有給理由」の項目があると考えられます。

項目がある事自体は違法ではありませんが、有給 内容が理由で有給をあげないとうのは違法です。やむを得ずに時期変動権を行使したとしても、必ず別の日にあらためて有給日を設定する必要があるという事です。

有給を取得できるのは労働者の義務であり、取得理由が知りたいのも「会社の事情」であるので、詳細な有給理由を記載しなくていはいけない義務も不要。なので、一般的には「私用による」記載方法が形骸化していますし、その方法でも特に問題はありません。

法律的やルール的には問題はありませんが「記載する必要はないし言う必要もなく当然の権利だから!」という感じで、もし強引に休んでしまった場合。

普段から有給をお互いに取り合っていないような、いわゆる「有給慣れしてない職場」だと、強引に休んだ事が原因で周りとの人間関係がギクシャクしてしまったり、上司との関係性が悪化する事は当然 考えられます。

ですので、こういった「ルールや権利」を理解し、その事をしっかり主張した上で、上司と大人な「話し合い」をするのがおすすめ。

例えば「そもそも、会社としての仕組みがちゃんとしてないと、成長もないはずです!(いい人が入らないし、いい人が辞めていくから)」というような方向性で、会社の将来を案じた話合い等もしていけます。